【魔界伝説】六道珍皇寺の井戸を使って冥土(地獄界)に出勤していた小野篁のお話
地獄へと出勤し、閻魔大王の右腕として働いていた小野篁とは?

私は京都に伝わる魔界話がとても好きです。
菅原道真や崇徳院、安倍晴明、元三大師と京都には様々なミステリーがあります
そもそもなぜ京都の魔界話が好きになったか?
それはある人物がきっかけでどっぽりとハマるようになっていったんです。
その人物とは···。
小野篁(おのの たかむら)
平安時代の官人にして学者であり歌人。
いわゆる天才です(笑)
見た目は180cm以上と当時にしてはめずらしく長身
文才にすぐれ、曲がったことが嫌いだったそうです
なんだか漫画出てきそうな人物ですよね。
そんなキャラがたっている小野篁さん
昼間は役所で働いているのですが
実は夜になると地獄に出勤し、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという伝説があるんです!
実際、彼が閻魔大王のもとで働いていたことを示す古文があるくらいです
ここで疑問が1つ。
小野篁はどうやって地獄に行ったのでしょうか?
答えはここ↓

ちょっと分かりにくいですが···

境内にある写真。 右側にあるもの。
井戸
そうです彼はここの井戸を使って地獄へ行っていたのですね。
帰りは、いまは無き京都嵯峨にあった福生寺(明治期に廃寺)の井戸から戻ってきたといわれております。

境内には小野篁が彫ったといわれる閻魔大王像が置かれています。外から見られるのですが、凄く迫力のある閻魔様です:(;゙゚'ω゚'):
やはり本当に行ったからこそ形に出来たのでしょうか?
地獄へご案内!小野篁と満慶上人
もし、地獄に行けるとしたらあなたは行ってみたいですか?
私はというと、もしかすると帰って来れないかもしれないので行きたくないのです(笑)
ですが、自ら志願し地獄界へ行った人がいるんですね。
その人物とは満慶上人
古文『矢田地蔵縁起絵巻』によると、
あるとき閻魔大王は世の中か苦しみで蔓延していました。
さらに悪い行いをしたとし、現世から沢山の人が地獄に落ちることを悩み、小野篁に相談しました。
『それなら大和国(奈良県)の矢田寺の高僧、満慶どのがよろしいかと』と答えました。
以前、篁は満慶をしたい何度か奈良へ赴いた経緯がありました。
さっそく閻魔大王は使いを出し満慶上人のもとへ。
事情を聞いた満慶上人は閻魔大王に会い「菩提戒」を授けました。
すると大王の苦しみが次第に取り除かれました。
閻魔大王は大変喜び満慶上人に何かしてあげようと思い、希望をたずねました。すると満慶上人はかねてより行って見たかった地獄の見学を希望しました。
つか私なら絶対お金を下さいと言うところですが…。
地獄は無いですね(笑)
地獄見学を希望した満慶上人は早速、地獄に通ずる鉄の扉を明け地獄界に入ります。
満慶上人の目に飛び込んできた景色は、悲しみや悲痛な叫びが入り混じり、人が火に焼かれ、針山で人が串刺しになり、ある者は鬼に追いかけ回された挙げ句こん棒で殴られる、なんとも無残な光景でした。
地獄に落ちた人間は火に焼かれようが針に刺されようが、決して死ぬことはなくよみ甦り、何度も死ぬほどの苦しみを味わうのです。
予想を遥かに越える情景を目の当たりにした満慶上人は、そこから一歩も動かずただ愕然と立ち尽くしていました。
悲しみと絶望の中、ふと満慶上人は周りとはいたって異質な者を目にします。
その者は鬼に追いかけ回される様子もなく、それどころか地獄で苦しむ人を一人一人助けているではありませんか。
満慶は思うよりも先に走りだしその者の近くへと駆け寄りました。
よく見ると驚くことにその者は満慶上人のよく知る者でした。
それは地蔵菩薩。
このような場所でお一人…。
満慶上人の問いかけに地蔵菩薩はこたえました。
「私は釈迦の教えに従い、人々の苦しみを慈悲の心を以って救っている」
さらに菩薩は続け言った
「上人よ現世に戻ったら、私に似せた像を作りなさい。
そして皆に拝ませなさい。
さすれば、私は地獄に落ちて来たもの達を救うことができよう」
満慶は感銘を受け、早速現世に戻り地獄で出会った地獄菩薩の像を彫ります。
その地獄菩薩は、今でも京都の寺町三条にある矢田寺に安置され、いつまでも皆さまのことをお守りしています。
⇒京都の送り鐘【矢田寺】へいってみた!寺町京極商店街にあるお寺さん
予断ですが、閻魔大王を苦しみから救ってあげた満慶上人は、大王から"枡"のプレゼントを受け取っていました。
その桝には一食分の米が入っており、どういうわけか食べ尽くしても米は無くなることはありませんでした。
そんな出来事から上人はいつしか「満米上人」という異名を呼ばれるようになりました。
六道珍皇寺の詳細 |
【住所】京都府京都市東山区 大和大路通四条下る四丁目小松町595 【定休日】なし 【営業時間】境内自由 【駐車場】あり。正面の門を入ってすぐのところ。 【HP】六道珍皇寺 公式 |
【関連記事】
あの世とこの世を結ぶ六道の辻と六道珍皇寺
〓スポンサーリンク |